安政5年冬 久坂→文
安政5年(1858年)冬
一ふで参らせ候。寒さつよう候へども、いよいよおん障なふ、おん暮めでたくぞんじ参らせ候。まいまい文まゐる。
一筆差し上げます。寒さが厳しくなってきましたが、差し支えなくお暮らしの事と存じます。いつもいつもお手紙いただきありがとうございます。
此より何かいそがしく打絶申候。 みなみなさま御無事くらし遊ばし、めで度御事に御座候。
こちらは何かと忙しくお手紙を差し上げるのもご無沙汰になってしまいました。皆々様もご無事でお暮らしになさり、喜ばしい事でございます。
どうぞどうぞ、月に一度は六ヶ敷候へば、三月に一度は保福寺墓参りおん頼参らせ候。申も疎御用心専に候。皆様え宜おんつたえ頼参らせ候。何も後便に申候。可しく。
ぜひぜひ、月に一度が難しければ、三ヶ月に一度は保福寺へ墓参りをお頼み申します。言うまでもございませんが、御用心なさることは大切です。皆様へ宜しくお伝えくださりますようお願い致します。いずれも次の手紙にて申し上げます。かしこ。
尚々きもの此のうち飯田の使まゐる。慥に受取申候
お文どの 玄瑞
なお、着物は先程飯田の使いが持ってまいりました。たしかに受け取りました。
お文 殿 玄瑞