安政4年(ヵ)「松下村塾規則」
一、兩親の命必ず背くべからず
一、両親の言うことには必ず背かないこと。
一、兩親へ必ず出入を告ぐべし
一、両親へ必ず(塾への)出入りを告げること。
一、晨起盥梳、先祖を拝し、御城にむかひ拝し、東にむかひ 天朝を拝する事。假令病に臥すとも怠るべからず
一、朝早く起きて髪を櫛で整え手を洗う。先祖を拝み、御城に向かって拝み、天朝に拝む事。例え病に伏しても怠らないように。
文章には盥梳とあるが熟語としては「梳盥」
一、兄はもとより年長又は位高き人にはかならず順ひ敬ひ、無禮なる事なく、弟はいふもさらなり、品卑き年すくなき人を愛すべし
一、兄はもとより年長、又は位が高い人には必ず従い敬意を払い、無礼する事なく、弟はもちろんの事、下品な人や幼い人を愛すこと。
一、塾中においてよろづ應對と進退とを切に禮儀を正しくすべし
一、塾中において万事受け答えと身の処置とを心を込めて礼儀を正しくすること。
右は第一條より終五條に至り、違背あるべからず。若し背く者は第一條の科は必ず坐禪たるべし。其の他四條は輕重によりて罰あり
第一条から五条までの規則に背かないこと。もし背く者は第一条の咎は間違いなく座禅が相応だろう。その他四条は軽重によって罰がある。