慶応4年3月6日 世良→寺内
大坂からの手紙
拝啓
此度朝廷の御勘渡金御下渡の事、九条殿付の芸人・戸田大和守家人両人え相尋候所、夫は朝廷より直二御渡方相成候訳にて、右両人之ものは関係不致由
拝啓
この度、朝廷のお勘渡金を下ろし渡す件、九条(道孝)殿お付きの芸人と戸田大和守(戸田忠至)の家のものの二名に尋ねた所、それは朝廷より直接お渡しする事になっているので右二人(九条・戸田)とは関係無いと聞きました。
右に付、態々十郎差登し申候間、乍御面倒太政官向之所宜御取計奉頼候 且大山も関係二付此も十郎へ托し申候間よろしく御頼申上候 仙台の舩造作半途に付、両三日は滞坂に相成申候
右の件につき、(野村)十郎を参らせますので太政官へ向かう所ご面倒ながら宜しくお取り計らいをお願いします。そして大山(格之助)も関係についてこちらも十郎へ任せておりますので宜しくお願い申し上げます。仙台の船の拵えが途中ですので二、三日は大坂に滞在する事になります。
一 此度会計両人の職掌は何事か、是も御聞取可被下候奉頼候
い細は十郎へ申含置候 早々不乙
三月六日
寺内暢三様 世良修蔵
侍史
一 今回の会計二人の役目はどのようなものなのか、これもお聞き取りくださるようお頼み申し上げます。
詳しくは十郎へ説明しておきます。早々不乙。
三月六日
寺内暢三様 世良修蔵
侍史