おべんきょうノート

自分用です。

安政5年2月下旬 松陰→月性

調停一事御心頭に懸けられ候段、實に感銘致し候 右に付き、何卒折角の御厚情徒事に相成らず候様にと種々案勞仕り候より同志へ申し談じ候處、孰れも同意に御座候

仲介の一件を念頭に留められておりました事、実に感銘致しました。右の件に付きまして、どうか折角のご厚情が無駄にならないようにと様々思案致し同志へかけ合った所、いずれも「同意」でございました。


其の段は他事に之れなく、江南・松下相和睦するすると申したる計りにては眞情は終に貫徹仕らざる事に付き

その件については隔意はなく、明倫館と松下村塾が和睦するすると申しているばかりでは真意は終いに通じなくなりますので

 

松下生悉く周布を主盟とし毎々會集仕るべく、書生の妄論も盡し、政府諸君實事上の様子も承り候はば、眞情相通じ眞の和睦に相成り申すべくと存ぜられ候

村塾生は皆周布を中心として常々集会するべく、彼らのでたらめな論も出しきり、政府諸君の実際の内情(状態)を把握すれば、こちらの言い分も通じ誠の和睦になるのだろうと思われます。


と申し候とも松下社中も先日御面會の中谷・高杉・尾寺・久保等の數子、且つは所謂有隣子等のみに御座候 何卒上人の御紹介を以て御歸在前に一夕周布へ會する様の事出來申す間敷くや 

と申しましても松下村塾も先日面会した中谷・高杉・尾寺・久保などの数人、その他は所謂有隣達だけでございます。どうか貴方のご紹介をもってお帰りなさる前に一晩周布に会う事は出来ませんでしょうか。

 

此の度成就仕り候へば誠に御調停も眞功相顕はれ誠に妙々に御座候 全體僕も一囚室に坐し黙々仕り居り候内に、松下の議論などと人に目せられ候ては人聞きも如何敷く【以下欠】

今回成功となれば実にご仲介も真の功となり誠に喜ばしくございます。そもそも僕も囚われの身であり「部屋に座し黙々と居る内に松下村塾の議論など」と人に評価されてしまっては人聞きも宜しくなく【以下欠】