安政2年10月15日 清内、栄太郎→大野
清内の筆跡とのこと。
安政元年に一度萩へ戻った栄太郎が安政2年9月に江戸へ行く際(江戸番手御昼水仁)、餞別をくれた時のお礼。
一筆啓上仕候 寒之節に御座候得共、先以貴家御揃御勇可被成御座珍重奉存候 於為元私共父子無異罷在候間、此段乍憚御休意被思召可被下候
一筆失礼致します。寒さが甚だしい季節にございますが、まずは貴方様、御家族様方とお揃いで健康にお過ごしとの事で大変喜ばしく思います。我ら親子共難儀無く勤める事が出来ておりますので、恐れ入りますがご安心ください。
猶又栄太郎其御地出足仕候節無上之御餞別頂戴被仰付、難有仕合に奉存候 右御礼為可申上如斯御座候 恐惶謹言
十月十五日 吉田清内 仝栄太郎
尚また栄太郎がそちらへ足を運んだ際、この上ない餞別を頂戴しまして有難き幸せに思います。右の通り、お礼を申し上げます。恐惶謹言。
十月十五日 吉田清内 同栄太郎
尚々御気色御保護専一に奉存候 乍憚尊御親御家内中様え宜敷被仰付上被下候様奉頼候 以上
大野新吉様 人々御中
なおなお、第一に自分自身を大切になさってください。ご両親様、ご家族様へ宜しくお伝えくださるようお頼み申し上げます。以上
大野新吉様 人々御中