おべんきょうノート

自分用です。

慶応2年4月5日 高杉→おうの

おうのとの
無事
一筆申し遣し候、そな事も無事にてめでたく存じまいらせ候、われらも無事長崎に罷り居り候間、卸きづかい下されまじく候、

おうの殿
無事
一筆申し残します。貴女も大事無いとの事で喜ばしく思います。私も無事に長崎に居りますので、お気遣いなきように。

 

このたび伊藤さま御帰りに付、何も御じきに御聞き下さるべく候、かねて申し置き候事相まもり、しんぼうかんにょうにござ候、

この度伊藤様がお帰りになられますので、何事も直接お聞きくださるようにしてください。以前より申し置いていた事を守り、耐えて勤める事が大切でございます。

 

人になぶられぬ事かんにょうにござ候。たんぜん袷送り候間、せんたくをして御送り下さるべく候。

他人にからかわれたり弄ばれたりしない事が大事でございます。丹前袷(あわせ)を送りましたので、洗濯をしてお送り返してくださるようお願いします。

 

伊藤さまへ相頼みおき候間、拾両御請取下さるべく候、われら事もしんぼういたし候間、そなたもしんぼうかんにょうござ候。しゃしんおくり候間、御請取下さるべく候。

伊藤様へ頼んでおいたのですが、十両お受け取りください。私も辛抱致しておりますので、貴女も辛抱肝要にございます。写真を送りましたので、お受け取りください。

 

色々申し遣したくござ候えども、先ずおしき筆とめ、あらあらかくの如くござ候。
めでたくかしこ。
四月五日

色々と申し残したい事はございますが、惜しみながらも筆を止め、乱文ですが以上でございます。
めでたくかしこ。
四月五日

 

尚々、風を引かぬようにようじんかんにょうに存じまいらせ候。かしこ

尚々、風邪を引かないようにどうぞ用心してください。かしこ