おべんきょうノート

自分用です。

大村益次郎 下張り書簡

大村益次郎文書

品川、山田、山縣、伊藤の書簡。
いつの書簡なのかは破損したり潰れていたりでいまいち分からない。

品川弥二郎

用件のみ短文。

戦闘術問上木の分、何卒会議所まで早々御持せ奉願候、以上

十二日

         品川弥二郎

大村先生  坐下

戦闘術門上(兵家須知戦闘術門 木活字版?)、どうか会議所まで直ちにお持ちになりお越しいただけるようお願いします。以上。

十二日

          品川弥二郎

大村先生  坐下

 

山田市之允

この前に本文があった様子。

八月五日                           市之允拝
尚々品川氏大坂より純酒一樽差送り候付、千萬些少の至に御座候へ共一瓢呈上仕候、慥御可被下候、尚又別紙は他見は無用是祈

大村先生   坐下

八月五日                           市之允拝
また、品川君が大坂より純米酒一樽少々満たないほどの純米酒を送ってきました。少しではありますが、一瓢差し上げますので確かにお受け取りください。尚また別紙は他の者に見せぬようお願い申し上げます。

大村先生   坐下

江戸時代の純米酒は町により製法の違いはあれど完全発酵酒が多く原酒では飲みづらい味なので水で伸ばしたものが主流。故に酔いやすく冷め易い飲料で、現代と比べると沢山飲めたのではと推察出来る。

一瓢→酒を入れた瓢箪ひとつ

 

③山縣狂介

ガタはいつもお堅い文面できっちり書いているイメージ。

先日は御投足被仰付、折節午睡奉失敬候、御多忙中申上兼候得とも当局抜始も不遠内より取懸り相成付ては、職人の義外より雇入可到相心得居候処、当節至て不如意、然処萩産物方当時御手悩の分は急に合併相成候方弁理と相考、先日、宇翁にも略相噺置申候、左候へは職人も当局へ引移候方可然相考、旁来る廿日頃より弐人丈け上手の者拝借…(以下欠損)

                山県狂介

村田先生

先日は投足を命じられた際、合間に仮眠をし失礼致しました。ご多忙の中兼ねてより申し上げておりましたが、当局窓口となり事を始めるも程なく取り掛かるに至り、職人筋以外から雇い入れようとなっていましたが最近になり話が纏まらず。ところが萩の産物方も、今どう手を付けるべきか悩んでいた分は早期に併合する方が互いに良いと考えました。先日宇翁にもあらましを話しましたところ以上の件は職人も当局へ引っ越すのが当然と考え、来たる二十日頃より二人体格の良い者をお借り…(以下欠損)

                 山県狂介


村田先生

産物方→特産物を扱う役所、役人

投足→足を伸ばして座る座式

 

伊藤俊輔

花山春太郎は伊藤の変名。

拝白奇兵隊山県狂介より西洋履壱足、夷艦来泊の節御買得被成下候様、御願申上呉候へと別帋の通申遣し候付、千萬失敬奉恐入候得とも御配意被下候様奉願候、代金の儀御取替置被下候へは、

其節御返却奉申上候、先は右御頼迄、勿々恐惶謹言

二月三日
          従良城陣屋
二月三日
                       花山春太郎

馬関佐甲本陣にて
村田蔵六
         御直被急キ

拝白 奇兵隊 山県狂介より西洋靴一足、外国艦来泊の時にお買い求めいただきたく、別紙の通り、失礼恐れ入りますがご配意くださいますようお願い致します。代金の取り替え置いていただきました分は、その頃にご返却申し上げます。取り急ぎ右の件お頼み申します。恐惶謹言。

二月三日
          従良城陣屋
二月三日
                       花山春太郎


馬関佐甲本陣にて
村田蔵六
        (至急ご自分の手で直接開いて見てください)

 

伊藤俊輔

こちらも伊藤。少々長いので途中で改行しながら失礼します。先程と内容が繋がっています

過日饗夷人候節の費用払残り、今以道付も不相成居候、用達より度々申来候に付、先生え委曲申入候間、相運候様御願可申出様申聞候処、終に御運ひ難相成、至極難渋仕居候由に御座候処、右饗応等仕候儀、善とも悪とも一旦相済候事に付、始末相着不申ては、何も不存町人え迷惑を縣候様相成、
先日外国人をもてなした時の費用払い残しの件ですが、今もって道筋が立ちません。用達から度々申してくるので先生へ詳細をお伝え致しますが『運びの手配をお願いしたく申し出ようと聞いてみた所、最終的には運ぶのは難しい』となりまして、とても困っておりました訳です。外国人へもてなしをいたしました件、良いとも悪いとも一旦済んだ事にしておきまして、始末が着いたと申さないままではいづれも知らない商人へ迷惑をかける事となり、

 

却て奉汚公政、恐入候事と奉存候間、何分御詮儀被下候て、早々御運相成候様、伏て御願申上候、此等の事取計候て不宜との事に候へは、罪は私共荷蒙仕候ても不苦候間、兎角速に御運可被下候、為其申上候、敬白

十一日
            花山春太郎
邨田蔵六様
                        御直披

 かえって公政を汚してしまい、恐れ入る事と存じますが、どうぞご詮議をされまして早々とお運びになるように内密にお願い申し上げます。これらの取り計らいが宜しくないとの事につきまして、その罪は私が背負っても苦ではありませんが、とにかく早急にお運びください。以上申し上げます。敬白


十一日
            花山春太郎
村田蔵六
                    ( ご自分で直接開いて見てください)

用達→役所などに出入りし品物を納める商人