安政5年6月 松陰→市之允
安政5年(1858年)6月
山田市之允が元服を迎えるにあたり、松陰は「與山田生」と題した漢詩を扇面に揮毫して授け立志の目標を示した
ほなな:3〜5行目は初見で「俗流」にかかっているものと感じたので、ひとまず訳をこう置いています
立志尚特異
(立志は特異を尚ぶ)
志を立てる時は、普通とは異なるように心掛けなさい。
俗流與議難
(俗流與に議し難し)
努力をしなかったり出世や高禄に執着する者と共に論を交えるような、いたずらに時間を過ごしていてはいけない。
不思身後業
(身後の業を思はず)
彼らは死後、後世に引き継がれるべき己の業を考えたりしない。
且偸目前安
(且く目前の安を偸む)
ただ目先の快楽だけを求める。
百年一瞬耳
(百年は一瞬のみ)
そうなると、百年という時間も一瞬で過ぎ去ってしまう。
君子勿素餐
(君子素餐する勿れ)
君子たるもの、素餐してはいけないよ。